端的に言うと、このエディタは、16年前の最初の作品(Opreation Flashpoint: Cold War CrisisあるいはArma: Cold War Assault)から改良を重ね続けて、シリーズを通して常に存在し続ける伝統であり、なんでも出来ます。このゲームの魅力の8割から9割を占めると言っても過言ではない、このゲームが「Military Sandbox」たる所以です。これがなければ、僕はとっくに他のゲームに遊びにいってます。
元コミュニティメンバーであり、最近ではLaws of Warの開発にも携わっているKarel Mořický氏曰く:
The Editor is an irreplaceable tool for community scenario-makers. I've been one myself years ago, and I remember spending ridiculous amounts of time in it. It's like LEGO; a perfect construction set, where you combine a lot of building blocks together, to create whatever idea you have.また、Flip Sádovský氏曰く:
(エディタはコミュニティのシナリオ作者達にとってかけがえのないツールです。何年も前かつて私がその一員だった頃、滑稽なまでに多くの時間をエディタに費やしたものです。これはレゴみたいなもので、最高の建築セットで、ブロックを積み重ねて、思い描く物を作り上げるものです。)
You can imagine the Editor as a military-themed Super Mario Maker on PC. We actually use the Scenario Editor as one of our core tools when desigining our official missions.(いずれもArma 3 - Developer Diary: Eden 3D Editorより)
(このエディタはミリタリーがテーマのPCで出来るスーパーマリオメーカーみたいなものと思えばいいでしょう。私たちは実際に公式のミッションを作るときにこのシナリオエディタを使います。)
というように、超強力で我々に無くてはならないツールです。日夜量産されるミッションやスクリプトというものはほぼ100%このエディタを通して作成されてると言っていいでしょう。
Armaシリーズを一度でも遊んだということは、すでにエディタのお世話になっているという言い方も出来るかもしれませんし、もっと分かりやすいところで言うと、このブログのヘッダーは全てエディタによるものです。
というわけで、これまでシングルプレイやマルチプレイをずっと遊んできて、あるいは新しくArma 3を買って、エディタというものを全く触ったことがない人たちへ向けて、手引をしたい、というのがこの記事の要旨であります。
このブログの記事だけを見ると、エディタというものに触れるために複雑な構築や知識が必要なように思えるかもしれませんが、まったくもってそんなことはありません。何故か外付けの上にLuaをゴニョゴニョしないとろくにミッションが動かないOperation Flashpoint: Dragon Risingお前の話をしてるんだよ
この記事を読んで、遊んでみたいな、いじってみたいな、と思ってくれたら大変嬉しいです。
この記事によって、新たなエディタ解説記事が乱立されたという見方もできますし、実際それを理解しています。ですが、Eden Editorを一からじっくりと解説していく「最新の」、「日本語の」記事や動画というものを、私は見たことがありませんし、ならばするべきは私だと思いました。Arma 2: Freeに触れたばかりの2012年の私に、エディタの基礎を教えてくれたArmA訓練所のミッションエディットのページに感謝を込めて。
エディタは公式キャンペーンの根幹に関わるアセットも含め、ゲームに用意されてる全てのアセットにアクセス可能です。ネタバレを警戒し、完全にまっさらな状態で遊びたい人は、キャンペーンを完全攻略するまで、エディタを起動しないことをおすすめします。
Argoに搭載されているエディタは、アクセス方法や、使えるアセットの種類に制限がありますが、Arma 3のものと全く同じです。
エディタを起動する
エディタは、Arma 3のメインメニューの右のボタン、または「SINGLE」タブの「EDITOR」から入ります。
Argoはメインメニューの中央のボタンから入ります。
開くと、マップを選ぶメニューが出ます。どれか好きなマップを選んでください。筆者はStratisを選びました。
エディタを起動すると、大体こんな画面になります。このエディタは正式名称をEden Editor、またの名を3DENと呼び、その名の通り過去作では出来なかった(出来なくはなかったけど)三次元でエディット出来るのが特徴です。この状態でもマップを探索できますが…
デフォルトで、WASDでカメラを移動、Qで上昇、Zで下降、Shiftで加速します。
ユニットを設置する
せっかくだし、実際にプレイヤーを設置して歩いてみましょう。画面右側のメニューは「Asset Browser」と言い、その名の通り設置できるアセットが表示されます。ズラーッと表示が並んでると思いますが、適当なユニットをクリックすると、設置できる状態になります。今回は適当にRiflemanを選択しました。そのままマップ上をクリックすると…
これでユニットが設置されました。プレイヤーがいない状態で一番最初に設置されたユニットは自動的にプレイヤー扱いとなります。右下のボタンからテストプレイに入ります。
設置したユニットはドラッグで位置変更、Shiftを押したままドラッグで向き変更、Altを押したままドラッグで高さ変更が出来ます。また、カーソルを合わせてDeleteでユニットを削除します。
これであなただけのシナリオが出来ました。ここで好きに銃を撃っても誰にも怒られませんし、自由に歩き回れます。
乗り物を設置する
…というのも寂しいので、今度は乗り物を出してみましょう。Asset Browserでは他にもユニットを設置できます。Asset Browserの「NATO」>「Cars」タブを開くと、NATO軍に用意されている車両が出てきます。今回はHunterを選んでユニットの隣に置いてみましょう。この状態ではすでに乗員がいるので、ハンドルのマークにカーソルを合わせてDeleteすると、乗員がいない空の車になります。これでテストプレイをすると…
自由に乗れる車が登場します。気ままにドライブもいいでしょう。
NATO軍から出せるユニットのごく一例です。
デフォルトでは乗員が設置されたまま乗り物が出現しますが、Asset Browserの下にある「Place vehicles with crew」から乗員のオンオフが変更できます。Altを押すと、乗員のオンオフを反転して設置します。
ヘリコプターや固定翼機は、Altで十分な高さまで持ち上げることでミッション開始時に飛行状態になります。ただし、パイロットが搭乗していない場合すぐに墜落してしまいます。
グループを設置する
今度は、一度にたくさんのユニットを出してみましょう。上の方にある並んでいるボタン6つは、モードを表しています。今はObjects(ユニット単体設置モード)なので、一つ右のCompositions(まとめて設置)を選択して…表示された適当なグループを画面上に設置しましょう。今回はFire Teamでやってみました。
これで味方がいっぱいです。心強いですね。ではこのAIの一団を動かしてみましょう。AIの誰かを選択して、適当な場所を右クリック!
これでAIに行動させるルートが作成できました。これを「Waypoint」と呼びます。そのままプレイすると…
味方が分隊行動しています。かっこいいですね。
敵を設置しよう
でもこのままプレイしても銃撃戦が起こるわけではないので、敵を設置してみましょう。今度はさっきのボタンのひとつ下、勢力ボタンから敵の勢力、つまり赤(OPFOR)を選択して適当なグループを、Waypointの道中に設置します。Shiftを使って向きを変えて…テストプレイすると、味方が向かった先でちょっとした銃撃戦が始まります。
味方と敵の位置が近すぎるとすぐに銃撃戦が始まってしまいます。少し離したり、お互いがすぐには見えないような位置関係にしてみましょう。
保存しよう
Ctrl+Sを押すと、保存画面が開きます。File Nameの欄に好きな名前を入れて、SAVEを押すと保存します。お疲れ様でした。ユニットの設置、移動、Waypoint、保存。以上がEden Editorの基礎中の基礎です。乗り物を交えた大規模な戦闘を作ってみるもよし、飛行機に乗って遊覧するもよし。全ては自由です。
MRAPを交えた、BLUFORとOPFORの戦闘を作ってみました。このようなミッションも簡単に作れるのが、Eden Editorです。
また、前書きにも書いたとおり、公式・非公式問わずミッションはほとんど全てがこのエディタを通して作成されています。どんなミッションも作例になります。極めれば、キャンペーンだって思いのままです。
Eden Editorの右上の博士帽から、チュートリアルが閲覧できます。目を通しておくと良いでしょう。
Arma 3のエディタは三次元で実際にプレビューしながら設置ができる最新式ですが、基本は過去作から何も変わっていません。興味があるならこんな記事よりももっとやる気がある過去のチュートリアルも覗いてみるといいでしょう。
0 件のコメント :
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。