以下ネタバレ猛注意。
現実<ニッポン>対虚構<ゴジラ>。このキャッチコピーが示す通り、歯がたたない敵に対していかに戦うかということをすさまじいリアリティ(というかそれっぽさ)を持って描いている傑作、と感じました。ゴジラシリーズで最もリアルなゴジラ映画なんじゃないでしょうか(片手に数える程度しか見たことがないのには触れないでネ)。
あらすじについてはかっ飛ばしまして、冒頭の漂流船のシーンからゴジラの尻尾が姿を表すまで約10分程度で、非常にテンポが良く、息をつく間もなく圧倒的なまでの強さを持つゴジラを描写していて、非常に見ていて心地が良かったです。
ゴジラの出現でアクアラインが落盤し、避難する様子、それがネットで中継され、様々な憶測を呼び、尻尾が姿を表し各報道局が一斉に謎の尻尾を報じ、それでも他人事と思い楽観的な考えをしたり、子供やお年寄りを連れてパニック状態で走って逃げる市民、逃げ遅れてマンションごと潰される家族というリアルなミクロな視点から、前代未聞の事態を受け入れられず硬直する政治、首相の命令が下されないために動かない自衛隊、出動に一体どの法令が適用できるのかなど、マクロな視点での苦渋なども描かれていて、それが相互に作用し観客も虚構の日本に引きずり込まれるような描き方をしていました。
いろんなところで指摘されていますが、(このゴジラに限らず)ゴジラは災害なんです。(特に第一形態の)ゴジラは、一目見ただけで、逃げなければ殺されるという震え上がらんばかりの恐ろしさで、もし(劇場で)地震とか起きたらチビるんじゃないかってぐらいでした。
それでいてところどころにユーモアを含み、絶対に勝てないゴジラのターンと絶対に勝つ自衛隊のターンが大きく分けられていて、絶望的な映画でありつつ自衛隊がかっこいい映画であり、最後は一応の大団円で終わるところが後味も良く、綺麗にまとまった映画でした。
他の巨大不明生物も示唆されていたので、続編もぜひ期待したい…。
おまけ。
コラが雑なのはゆるして
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